ホームページ作りませんか?みたいな営業かけてくる会社に、ホームページ制作が出来る人はいません

2018-08-21 2018-09-06

「ホームページ作りませんか?うちに任せてもらえれば、検索順位が爆上がりして、来訪者数は数十倍になること間違いなしですよ!」みたいな電話営業、もう絶滅したかと思っていましたが、いまだに結構あるようです。

それどころか、情報弱者にとって刺さるのはこういった営業のようで、むしろこういった営業の方が売れてしまうのだとか。こんなオレオレ詐欺レベルの詐欺、引っ掛かる人いるのか?と思っていましたが、どうも、オレオレ詐欺とターゲットが近しいようで、騙されやすく、押しに弱く、ITなどの先端情報に弱い方に向けて、こういった営業が行われているため、売れてしまうようです。

何とも可哀そうな話で、時々こういった方から相談を受けたりもするのですが、「調査を行うこともできますが、費用はかかってしまいます」と伝えると、向こうから相談しておきながら返信が無くなったりします。そういうとこだぞ。

ということで、必要な費用は払わず、都合の良い営業トークにはお金を払ってしまうという、結構自業自得な方も少なからずいるのですが、被害が増え続けるのも良いことではないので、こういった「ホームページ作りませんか系営業電話」をかけてくる企業がどんな企業なのか、解説します。

ホームページを作っているのと売っているのは別の会社です

イトーヨーカドーや西友など、スーパーマーケットに行くと、様々な商品が並んでいます。野菜に肉、魚、調味料など、何でも売られています。では、これを作っているのは誰でしょうか?

一部プライベートブランドなど自社製品もありますが、基本的に作っているのは売っている企業とは別の企業です。「ホームページ作りませんか?」のような営業電話をしてくる会社のほとんどはこの構造と一緒で、電話をかけてくるのは売っている企業であって作っている企業ではありません

ここに、「作ってもらったけど、営業から聞いていた話と全然違う」となってしまう理由が潜んでいます。

制作会社は営業会社がどんな売り方をしたかは知りません

またスーパーの例を出しますが、時々スーパーに「最強コスパのワイン!世界が認めた最上品!」のようなポップが掲載されているのを見かけることがあるかと思います。しかし、このワインを作ったワイン農家の方は、自分のワインがそんな売られ方をされていることは知らないはずです。これは、制作者の農家が認めた事実ではなく、スーパーが勝手につけた煽り文句だからです。

ホームページも同じです。「最強SEOの超高品質ホームページ!」と言われても、制作者はそんなことは聞いていませんし、そもそも「最強SEO、超高品質」と言われた時点で、制作を拒否しているでしょう。なぜなら、SEOは制作時に決まるものではなく、運用によって調整していくものですし、超高品質と言われても、品質というのは主観であって具体的に何がどうなっていたら高品質なのかわからないからです。

ということで、営業がいくら「最強SEO、超高品質」と話を盛ったところで、制作者が作るのは「普通のホームページ」になります。

営業会社は売ったらそこで終わりです

ここまでの話で分かったかと思いますが、「ホームページ作りませんか?」と電話をかけてくるのは、営業専門の会社です。保守契約などを結ぶケースもありますが、基本的に営業会社には、保守が出来る人はいません

保守には制作以上に高い知識が求められます。少し技術的な話になりますが、ホームページを作るというのは、「今、正しく動く、正しく表示されるものを作る」ということになります。しかし、保守の場合は「状況が変わった際に、それに適切に適応させる」という作業が必要になります。今動くものをとりあえず作るのと、状況に合わせて適切に対応していくのでは、後者の方が難易度は高くなります。

制作が出来ず、他の会社が作ったものを売っているのが営業会社です。そんな営業会社に、制作より難易度の高い保守が出来るでしょうか?出来るわけがないのです。

ということで、保守契約を結んだ場合、大抵は営業会社から制作会社に対して、「顧客からの依頼を丸投げする」という対応が取られます。それが理由で「対応が遅い」とか、「伝えたことがちゃんと反映されない」といったことが発生するのです。

ホームページは自分で更新するから「ホーム」ページなんです

私もホームページ制作や運用の仕事を受けることがありますが、その際に必ず伝えていることがあります。

それは「ホームページはあなたのお店の旗艦店ですよ」ということです。私もサポートには最大限の努力を惜しみませんが、あなたも頑張って色々覚えて、自分でホームページを盛り上げていくんですよ、ということです。

勘違いしている方が多いのですが、業種にもよりますが、今は実店舗以上に集客を担うのがホームページなどのWeb媒体です。例えば、旅館などは、ホームページの良し悪しによって予約の入りに大きな差が出ます。

旅館の場合はじゃらんや楽天トラベルなどのポータルサイトも強いですが、最終的に部屋の確認をする際には公式ホームページをチェックする人が多く、その際に、まともに更新が行われていなかったり、写真がいまいちだったり、情報が古かったりすると、他の旅館に流れてしまうことが多くなります。

飲食店でも、以前は食べログ一強でしたが、点数操作などが明らかになったことで信頼度を下げており、公式サイトや個人ブログを確認してから行くかどうか決めるという人が増えています。

そんな大事な旗艦店を、自分ではまともに触らず、勉強もせず、他人に丸投げした結果集客に失敗したというのであれば、それは自業自得です。「私たちに任せていただければ、集客も完璧ですから!」みたいなことを言われて騙された方もいると思いますが、同情はしますが、やはり自業自得です。騙す側は最悪ですが、騙される側も経営者として未熟だと思います。

「ホーム」ページはあなた自身のものです。自分で大切に育て、盛り上げ、最高の集客施設を作り上げなければ、満足行く集客は行えません。旗艦店として、イメージ戦略、ブランディング、集客を担う大切な存在として考えることが、ホームページを生かすための本当のコツなのです。