私が転職を決める際の5つの判断材料、転職は材料が揃ったら淡々と

2017-09-21 2017-10-25

余程恵まれた人でない限り、年に1,2回は転職を考えると思います。
私も週に2回くらい転職を考えますが、今のところまだ転職するつもりはありません。理由は、転職するだけの材料がまだ溜まらないからです。

幸か不幸か、材料が溜まってしまえば、私はためらうことなく転職を決意します。

転職とは気分で考えるものではなく、戦略として、明確な理由を持って行うべきことだからです。

転職判断材料一つ目、市場価値より給与が低い

これはシンプルです。適当に何社か受けてみましょう。この際、自分を大きく見せるために嘘をつくのは厳禁です。あくまで市場調査なので、正直にやりましょう。

内定を受けた際、提示された額が今の給与より高い場合、現状に3つの可能性が考えられます。

・会社の業績が悪く、市場価値に見合うだけの給与が出せていない
・会社との相性が悪く、市場価値に見合うだけの成果が出せていない
・面接は上手いが、実際は能力が低い

3番目以外であれば、転職を検討する材料が出来たと考えるべきでしょう。

なお、何社受けても内定が出なかった人は相当にやばいので、考えを改めて、会社に残るための方法を考えた方が賢明です。

また、「あなたの年収判定します!」みたいなサービスは、想定年収より高めに出すことで転職を促すもの(転職支援会社のサービス)なので、全くあてになりません。

転職判断材料二つ目、労働環境が悪い

これもシンプルな話ですが、業界平均を知っておかないと、存在しないユートピアを探し求めることになるので注意が必要です。最低限見るべきポイントは7つ。

・残業代が出るか、残業代に上限が無いか、みなしの場合みなし残業時間が45時間を切っているか
・残業時間は短いか
・裁量労働制ではないか、裁量労働制の場合、出勤退勤時間に縛りが無いか
・完全週休二日か、有給とは別に、祝日や夏季休暇、年末年始休暇があるか
・有給休暇は理由を問わず利用できるか、また退職時に有給消化は行われるか
・業務の作業スペースは十分か、デスクやイスなどが安物でないか
・慶弔休暇はあるか

この辺をチェックした上で、満足できているかを考えましょう。なお、IT業界に限って言えば、人手不足で省力化が進んでいるため、今は平均残業時間20時間以下が当たり前になっています。それを超えているなら、効率化が出来ないタイプの会社か、残業大好きマンが上層部にいる可能性が高いです。

プラスアルファでフレックスタイム制とかリフレッシュ休暇を求めてもいいとは思いますが、まず前提として、上述した7つのポイントが満たされている会社の方が安全だとは思います。変な制度で基本的なところを誤魔化す会社は危険です。

労働環境が悪いというのは、経営者の資質に問題があったり、社内の業務フローが異常だったり、顧客都合で社内に無理を強いている可能性が高いです。自分で解決出来ない部分に問題があると判断した場合は、転職を検討するための材料と考えるべきでしょう。

転職判断材料三つ目、入社後の給与上昇率が低い

新卒であれば入社から4年、中途であれば入社から2年以内に給与が大きく上昇していないのであれば、今の会社はあなたに合っていないかもしれません。

人の評価は、中途であれば入社から1年以内に大体決まります。新卒の場合、判断期間を長くとるため3年くらいは様子を見ますが、1年目の印象はかなり強く、1年目に活躍した(上手い事やった)人は高く評価される傾向があります。

そして、自分が評価されているかの判断材料は給与です。それ以外はあり得ません。「大事な仕事を任せられて~」みたいなのもありますが、そんなものは評価とは関係ありません。仕事で評価されて、給与が上がらず仕事の量や難易度だけが上がっているのであれば、それは「こいつは口先で誤魔化しておけば満足するだろう」と馬鹿にされているということです。

給与は基本的に、期待値ではなく評価された後で上がります。そのため、評価から1年後の給与を目安に見ると、会社における自分の評価が分かります。ということで、新卒なら3年間の評価が反映される4年目、中途なら1年間の評価が反映される2年目の給与上昇率を見れば、会社からどう見られているかが大体わかります。

入社後数年で作られたイメージを変えるのは中々難しいため、これはその後も影響を及ぼします。

元の給与にもよりますが、新卒の場合、4年目で初年度の1.4倍を超えていない、中途の場合、2年目で初年度の1.1倍を超えていないのであれば、転職を検討する材料が1つ出来たと言えます。

一部の大企業は年功序列なので、このケースには当てはまりません。

転職判断材料四つ目、仕事内容が市場価値向上につながらない

市場価値の向上につながらない仕事というのは「今持っているスキルだけで出来る仕事」のことです。最新技術とか言語とかの話ではありません。

基本的に、ルーチンワークは市場価値を向上させません。今後AIに置き換えられるとかそういう話ではなく、同じことしか出来ない人を育てるのは簡単ということです。変わりがいくらでもいます。

あなたが素晴らしく優秀な人であれば、たいていの仕事は今持っているスキルだけで出来るかもしれません。しかし、当たり前ですが、出来ることしかやらないのでは変化はありません。当然市場価値も大して変わりません。

やったことのない仕事、勉強しながらでないと進められない仕事、苦労する仕事が無いのであれば、転職を検討する材料と考えるべきでしょう。

これは、一生その会社にいるつもりなら考えなくても良い部分かもしれませんが、業務内容が急変したり、会社が傾いて転職せざるを得なくなった時の保険として大事なポイントです。

転職判断材料五つ目、経営者の考えに共感できない

「社長なんて遠い存在」と考えてる人もいると思いますが、経営者の考えは社内のあらゆるところに影響を及ぼします。

社員に対する考え方一つ取っても

・社員は家族で全員平等、能力成果関係なく可能な限り同待遇
・社員はビジネスパートナー、成果を出せる人に好待遇を
・社員は一部はコマで一部は友達、友達だけに好待遇を
・社員は全員経営者の私腹を肥やすための材料
・社員は奴隷なので公私ともに自分のためだけに動くべき存在

適当に5パターン上げてみましたが、思い当たる人が一人くらいは浮かぶのではないでしょうか。これが現実です。

経営者も人間なので、菩薩のような人もいれば、ヤクザ顔負けの悪魔のような人もいます。そして、表の顔は全員経営者のマスクをかぶっており、パッと見ではわからないようになっています。なお、菩薩は少なく悪魔は多い印象です。

社員に対する考え方だけでなく、色々な面で一人一人考え方が異なります。その考え方が社内のあらゆるところに影響を及ぼす以上、経営者の考えと相いれないと考えるのであれば、それは転職を検討すべき材料と考えるべきでしょう。

まとめ

私が転職の判断材料としている5つのポイントを上げました。

一つ目と二つ目は現状の問題。給与と労働環境。
三つ目と四つ目は未来への期待。給与向上とスキル向上。
五つ目は思想。会社の根幹をつかさどる経営者と、自分の思想との関係。

現状の環境も大事ですし、同じくらい今後に対する期待も大事です。また、モチベーション維持のために思想面での共感も当然大事と言えます。

私の現状で言えば、今はこのうちの二つが当てはまり、三つは当てはまっていないという状況です。私は基準として四つ以上当てはまったら転職活動を開始していますが、人によっては三つで考えてもいいと思います。

転職は、一時の感情で行うと大変なことになりかねない重大イベントです。上手く行けば良いですが、運が悪いとその先数十年のキャリア、生活をめちゃくちゃにします。

自分でルールを作り、そのルールに沿って、淡々と転職することをお勧めします。